インタビューに応える伊藤さん
季節を感じ自由に生きる。
会社員→牛乳配達と農業・季節の仕事
2008年移住
季節を感じ自由に生きる。
銀座の江戸前鮨で修業→食彩 久遠を開業
2014年移住
銀座の江戸前鮨で修業→食彩 久遠を開業
2014年移住
移住前のお仕事について教えてください。
銀座の江戸前鮨で板前の修業をした後、東伊豆の伊豆高原のホテルで和食の厨房へ入りました。
ホテルでは伊豆半島でのビジネスを学び自分の料理の幅を広げることができました。
インタビューに応える伊藤さん
現在のお仕事について教えてください。
松崎の町を流れる那賀川の河口近くにお店食彩 久遠を構えました。
伊豆の素材を中心に、修業先の銀座で教わった江戸前の仕事を丁寧に施し提供しています。
夜明けとともに船で食材の調達に行くこともあります。
移住のキッカケについてお聞かせください。
元々松崎に実家があって、生まれた場所を絶やさないように戻ってこようと思ったのがキッカケですね。
魚を捌く様子
移住にあたり問題はありましたか?
特にはないですね。人口が少ない町で料理屋として商売していけるんだろうかという不安はありましたけども、やっていけないことはないだろうと思って移住しました。
店内の様子
移住にあたり重視した点は?
お店を出すにあたって重視した点をお話しさせてもらうと、はじめは観光地なので国道沿いに面した土地にお店を出そうと探していました。ですが、少し奥まっている場所でも一度来たお客さんにまたリピートしてもらえるようにおもてなしをする、料理に対する気持ちをお客さんにしっかり伝えるなど、そういうお客さんを大事にする気持ちを持っていればどんなに山奥でもお客さんはまた来てくれると信じているので、この場所を選びました。風情もありますしとてもいい場所です。
松崎を選んだ理由をお聞かせください。
東京のお寿司屋さんで6年程働いていたんですが、ここで一生電車を乗り継いで通勤したり、仕事に行ったりするというのは、松崎で育った自分には無理だなという気持ちがすごくありました。それなら自分が一番住みやすい環境で暮らしたいと思ったんですね。小さいころから海や川などの自然が好きで、それと触れ合える場所でずっと育ってきたので、松崎が一番住みやすくて環境のいいところだと思って松崎を選びました。空気がきれいですからね!
移住してから気づいた点はありますか?
あまり背伸びをしようとしたり、欲をかいたりしなければ案外やっていけるんだなと思いました。現状維持ってすごい大変なので、その現状維持をいかにできるか考えながらやっていけば案外できるなと思います。
魚を捌く様子
移住前後で心境の変化はありましたか?
今まではお給料をもらって仕事をしていましたが、戻ってきて自分でお店を立ち上げて、すべてが自分の責任になってくるので、「お店一軒を持つというのがこれだけ大変なことなのか」と考えが180度変わりましたね。
インタビューに応える伊藤さん
移住して困ったことはありましたか?
魚市場が無いのが辛いですね。自分の目で見て魚を選ぶことができないときがあるので。
自分には専属の魚屋さんがいるので、その魚屋さんと入念に打合せて魚を仕入れているんですが、やっぱり自分の目で見て選びたいと思うときがありますね。そういう点ではこの辺の料理屋さんは辛いんじゃないでしょうか。
逆にプラスに考えると、自分は今漁船をひとつ持っているんですが、朝早起きして海まで3分くらいで着くので、仕込みの時間の前に自分で船を出して釣りに出かけてちょこっと釣った魚をすぐお客さんに提供できるという臨場感はすごいので、そういう普通の料理屋さんにはできないところが強みだと思います。
今後どんな暮らしをしたいと考えていますか?
今息子が3人いるんですが、その中の誰かがお店をやってみたいと言ってくれたら、その時は継いでもらって、お店を受け渡す時には少しお店の中を綺麗に様変わりさせて渡してあげたいなという夢はあります。
調理場に立つ伊藤さん
移住をご検討の方へ一言お願いします。
町内にはいくつもお料理屋さんがあり、一見たくさんあるように見えるんですが、蓋を開けてみると、お店にはそれぞれ定休日があって、週末はまずお料理屋さんは休みはありませんが、平日だとだいたい順繰りに休んでいるんですね。そうすると、今日はあそことあの店がやってないからあっちの店に行こうという風に案外お客さんが集中したりするんですよね。なので、この規模に対してお料理屋さんが多いように見えるんですが、実は少ないんです。ジャンルも同じようなお料理屋さんがいくつもあっても良いと思います。とにかく、一度始めたら貫き通せばなんとかなります。あまり欲をかきすぎないようにするのも大事だと思いますね。